いなたいショーケース

反射的に投げ込んでいく実験です

決してパンクしないボール~ONE WORLD FUTBOL project~

今日はぼくがとても感銘を受けたプロダクト、“One World Futbol”をご紹介する。

先進国向けとして使われているサッカーボールは、途上国では長くは使えない。革製のボールでは途上国の環境に耐えきれないのである。

ウガンダユニセフが行ったテストでは、75%以上のボールが一週間以内にパンクし、100%のボールが一ヶ月以内に全てパンク、使えなくなってしまったことが明らかになった。 中には一日で80%以上のボールがパンクした地域もあったそうだ。

その中で、行方がわからなくなったものを除き、パンクしたものが一つも確認されなかったのがOne World Futbolのサッカーボールだった。

そんな驚きのボールは、創立者が履いていたクロックスの素材を使い、ミュージシャンのスティングが出資をして生み出されたという。

Business

2010年の創設時の目安としてOne World Futbolは3年以内に100万個のサッカーボールを子どもたちに届けることを目標にしていた。

その目標の達成のために、ボールを売り、かつ寄付をすることができるビジネスモデルを考案した。“Buy One Give Oneモデル”と呼ばれる形態はその一つで、個人や小規模な団体向けとしてオンラインなどで販売し、販売した数と同じ数のボールを寄付する。

その他、NPO等に割引価格でボールを売ったり、スポンサー企業のCSR活動、コーズ・マーケティングの使用も行われている。

そして現在One World Futbol Projectはユニセフと提携しており、最近ではゼネラルモーターズ社とスポンサー契約し、途上国の子どもたちに150万個のボールを届けることが決まっている。2年を待たずとして、初期目標の達成に大きく近づいたのである。

世界を繋ぐ“青いダイヤ”

そのOne World Futbol Projectでインターンをしているという、筑波大OBの高木将さんが、5月27日につくば市でワークショップを開催した。ぼくはそのイベントにスタッフとして参加し、実際にボールも触ってみた。

“ナイフで刺しても、トラックで踏みつぶしてもパンクしない”と言われるこのボールだが、本当にパンクしないのか実際に試してみたのが下の動画。

(トラックは用意できなかったので、足で・・・)

実際に蹴って使ってみると、公式のサッカーの試合に使われるボールほどの精密さはないものの、楽しみながらサッカーを行うのに全く問題はなかった。素足でボールを蹴る子どもが多い地域では、逆にちょうどいいのではないかとも思った。

今回のワークショップでは外国人留学生の方とサッカーをしながら交流したり、参加者のそれぞれが持つバックグラウンドを語り合った。お互いの社会問題に関する考え方や将来の話を交わす中で、初めて会った参加者同士だったぼくたちはいつの間にか距離が縮んだような気がした。

“サッカーには言葉は必要ない”

使い古された言い回しかもしれないが、このプロダクトにはそれを確信させるような可能性を感じた。 それはこのボールが単純な途上国支援だけでなく、教育面、文化交流の面でも活躍が見込まれるからである。

ボールが届けられた途上国でも、決して壊れないこの“ブルー・ダイヤモンド”ボールが、異なる文化を持つ者同士の橋渡しの役目を持ってくれることを願っている。

< One World Futbol 関連URL >Play is...One World Futbol (動画)

・テントセン 決してパンクしないサッカーボール「ONE WORLD FUTBOL」

・SOCIAL SPORTS DESIGN 環境に優しいパンクしないボール~ONE WORLD FUTBOL Project~

One World FutbolがGMとスポンサー契約。150万個のボールが世界中の子どもたちの元へ。

・About One World Futbol Project http://www.bcorporation.net/oneworldfutbol